SUS440Cは、マルテンサイト系ステンレスの中でも炭素量が多く、焼入れによりHRC58前後まで硬化させられる素材です。耐摩耗性・耐食性・寸法安定性のバランスが良く、バルブ部品・ベアリング・刃物・金型パーツなど、過酷な摺動条件にさらされる機械部品で広く採用されています。今回はHRC50以上に熱処理したうえで、公差±0.01mmという厳しい指定でバルブ部品を仕上げた事例です。
有限会社 小澤製作所では、1971年創業、創業以来、千葉県印西市の自社工場で難加工材の精密切削に取り組んできました。発電プラント・石油化学プラント・食品機械・研究設備など、ミクロン単位の精度が求められるバルブ部品を中心に、数多くの実績を積み重ねています。
HRC50以上の素材を切削する場合、工具寿命の急速な低下と、加工時の発熱・熱変形が大きな課題となります。当社では荒引加工を終えた段階で熱処理(焼入れ・焼戻し)でHRC54まで硬化させ、その後の仕上げ工程で治具を自社設計・製作することで、ワークの変形と工具の振れを最小化しました。これにより、φ38×L38.1の円筒部品に対して±0.01mm(10ミクロン)の高精度を実現しています。
切削加工の基本方針については、切削加工サービスのページもあわせてご確認ください。素材ごとの工具選定・冷却方法・段取りまで自社内で完結することで、再現性の高い精度を実現しています。
バルブ部品の高精度仕上げには、オークマのNC旋盤LB4000EXIIを中心に、当社の主力NC旋盤群(オークマLH55-N、日立精機NR23、HR4000など)を組み合わせて対応しました。NC旋盤群は最大φ550×L3000、10インチチャックまで対応しており、中小型から中大物までを単一工場でカバーできます。
主要設備の一覧と仕様詳細は設備情報ページをご覧ください。SUS440C以外にもSCM440QT、CAC406、A5052、POM、FC250、チタン、インコネルなど11種類の素材に同等水準で対応しています。
HRC50以上の高硬度部品では、加工後の応力解放による寸法変化や、わずかな熱変位による精度低下を見逃さないことが重要です。当社では三次元測定機・真円度測定器・粗さ計を組み合わせ、必要に応じて全数の寸法成績書を発行しています。1/100mm単位の精度から、お客様要求に応じて1/1000mmレベルの記録までフォロー可能です。
今回はφ38×L38.1の中小型部品でしたが、当社は大物・長尺のバルブ部品にも実績があります。最大φ900×L4000の長尺旋盤加工や、キタムラ機械BRIDGE CENTER 12G(テーブル3050×1615mm)による大型マシニング加工に対応しています。発電プラント向けの大型バルブ部品も製作可能です。詳細は大物・長尺加工ページをご覧ください。
当社の強みは、図面検討から材料手配、粗加工・熱処理連携・仕上げ・検査・梱包までを自社内で完結できる点にあります。協力会社案件で1〜2週間、自社内完結の加工なら当日〜数日でお見積りを回答しています。会社概要は会社情報ページをご覧ください。
SUS440C高硬度バルブ部品に関連する事例や、近い加工難度の素材を扱った製作事例も製作実績アーカイブにまとめています。CAC406軸受の螺旋油溝加工や、POM樹脂の精密旋盤加工なども併せてご覧ください。多能工によるチーム体制については採用情報ページでもご紹介しています。
当社は多能工人材の育成にも力を入れています。採用情報や工場見学のご案内は採用情報ページもあわせてご覧ください。直近の製作実績一覧も随時更新中です。
A. はい、SUS630(17-4PH)・SUS420J2・SUS304/SUS316のソリッド材など各種ステンレスに対応しています。素材の機械的性質や熱処理条件に応じて加工条件を最適化します。
A. 対応しています。粗加工済み・熱処理済みのワークをお預かりして仕上げ加工のみを行うフローでも、治具設計から検査・成績書発行まで責任を持って完結します。
A. 可能です。三次元測定機による全数検査と寸法成績書発行を組み合わせ、お客様の要求精度に応じた検査体制を構築します。
A. 対応しています。当社の仕事は1個ものが約20%、10個以下が約40%と、少量多品種が得意分野です。試作後の量産移行案件も多数手掛けています。
SUS440Cをはじめとする高硬度バルブ部品の精密切削、ミクロン単位の公差指定、難加工材の単品・試作対応のご相談はお問い合わせフォームまたは直通電話までお気軽にお寄せください。
図面1枚から、現物のお持込みからでも。お見積り・ご相談はお気軽にどうぞ。
自社内完結は当日〜数日、協力会社案件で1〜2週間程度を目安にご回答します。
お電話受付:平日 8:30 – 17:30