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屋外クレーン用車輪S45C|焼き嵌め溶接ハード焼入れ一貫対応事例

業界
プラント設備 / 産業機械 / 鉄道関連
材質
S45C / 炭素鋼
加工方法
マシニング / 大型旋盤 / 溶接 / 熱処理

屋外クレーン用車輪S45C製作とは|過酷環境向け走行部品の要件

屋外クレーン用車輪は、雨風や粉塵にさらされる過酷な環境下で長期間使用される走行部品です。レール接地部の摩耗、軸との接合強度、転走時の振れ精度など、屋内クレーンに比べて要求仕様が格段に厳しく、車輪本体と軸の同芯度を1/100mm単位で揃えながら、表面硬度と内部の靭性を両立する必要があります。今回ご紹介するのは、φ650×726Lの大型S45C車輪を、焼き嵌め・アーク溶接・レール接地部のハード焼入れまで含めて一貫製作した事例です。

有限会社 小澤製作所は、千葉県印西市の自社工場で1971年の創業以来、機械構造用炭素鋼から特殊鋼まで幅広い素材を扱ってきました。今回のような大型走行部品も自社の大型設備と熱処理ノウハウを組み合わせ、設計段階の検討から最終仕上げまでをワンストップで提供しています。

S45C車輪と軸を別々製作する加工技術

本件では、車輪部と軸部をそれぞれ単体で旋削加工してから焼き嵌めにより一体化する工法を採用しました。一体素材から削り出す方法に比べ、材料歩留まりを大幅に改善できるほか、軸受部の硬度設計と転走面の硬度設計を別々に最適化できる利点があります。焼き嵌め時の熱膨張量を厳密に計算し、室温に戻した後の同芯度を狙い値内に収めるためには、両部品の嵌合公差を1/100mm単位で管理する切削技術が前提となります。

機械構造用炭素鋼の切削条件や工具選定の考え方は、切削加工サービスのページでも詳しく解説しています。S45CやSCM440QTなどの中炭素鋼は、刃先逃げ角と送り条件の最適化により面粗さを安定して仕上げられます。

大型旋盤・横型マシニングセンタによる大物加工

φ650×726Lというサイズの車輪は、当社の大型旋盤と横型マシニングセンタ・縦型マシニングセンタを組み合わせて加工しました。キタムラ機械「BRIDGE CENTER 12G」はテーブルサイズ3050×1615mm、Z軸ストローク800mmを備える門型マシニングセンタで、大物ワークでも幾何公差を安定して保てます。NC旋盤群と組み合わせることで、外径加工から穴加工、フレーム部の平面加工までを最少段取りで完結できる体制です。

大物・長尺ワークの対応事例や設備サイズの詳細は大物・長尺加工のページにまとめています。最大φ900×L4000の長尺旋盤加工にも対応しており、走行軸や搬送ロールのような長尺案件にもワンストップで応えられます。

アーク溶接とハード焼入れによる接合強度の確保

焼き嵌め後にはアーク溶接で接合部を補強し、レール接地部のフレーム表面に対して局所的なハード焼入れを施しました。S45Cはハード焼入れによりHRC50前後まで硬度を上げられ、走行面の耐摩耗性を大きく向上できる材料です。一方で、母材の靭性を残しながら表面のみを焼き入れる加減には経験が必要で、焼入れ深さと冷却条件の管理がそのまま車輪寿命に直結します。当社では熱処理協力会社と密に連携し、図面指示と実車条件の両面から焼入れ仕様を決定しています。

溶接後・焼入れ後の機械加工も社内で完結できるため、熱変形を補正した最終仕上げが可能です。メンテナンス加工サービスでは、既存の摩耗車輪の補修や走行軸の再生加工も承っています。

検査・品質保証|同芯度と硬度の管理

仕上げ加工後は三次元測定機・真円度測定器・硬度計でレール接地面の硬度、車輪と軸の同芯度、外径・端面の振れ精度を全数測定し、検査成績書を添付して納品します。屋外クレーンは長期稼働を前提とした設備のため、初期精度のばらつきがそのまま摩耗速度の差となって現れます。納品時に基準値を明確にしておくことで、稼働後の点検や予防保全の判断材料としても活用いただけます。

自社一貫対応で短納期と品質を両立

大物加工・焼き嵌め・溶接・熱処理・最終仕上げを社内および密接な協力会社網で完結できる点は、当社の大きな強みです。一品ものや小ロットでも、設計段階から技術担当が入り、加工順序と熱処理タイミングをまとめて設計するため、無駄な再加工を減らして短納期で納めることができます。当社の沿革や品質方針は会社情報ページでもご確認いただけます。

関連する製作事例・対応業界

クレーン用車輪と近い加工難度・大物加工の事例は、製作実績アーカイブからご覧いただけます。

  • 製鉄設備向け 大型ロール(SCM440QT・旋盤・焼入れ)
  • 建設機械向け 走行軸(S45C・長尺旋盤・溶接)
  • 搬送設備向け 駆動ホイール(SUS440C・マシニング・熱処理)

対応業界は産業機械、鉄道関連、製鉄、プラント設備、建設機械、屋外設備など、過酷環境向け部品を中心に幅広くご相談を承っています。

よくあるご質問

Q. 焼き嵌め以外の接合方法でも対応できますか?

A. 焼き嵌めに加え、キー溝・ボルト固定・溶接接合など、図面と要求性能に合わせて最適な工法を提案いたします。複数工法を組み合わせるハイブリッド構造にも対応可能です。

Q. 既存の摩耗車輪の再生加工は依頼できますか?

A. はい、走行面の再生切削や、軸部の差し替え、再焼入れまで対応しています。現物をお持ち込みいただければ摩耗状況を確認のうえお見積りいたします。

Q. φ650以上の大型車輪も加工できますか?

A. 自社設備で最大φ900クラスまで対応可能です。それ以上のサイズについても、協力会社網と組み合わせてご相談ください。

Q. ロット1個からでも対応してもらえますか?

A. 当社は1個ものが約20%、10個以下が約40%という少量多品種が得意分野です。試作1個から100個程度のロット生産まで一貫して承ります。

屋外クレーン用車輪の製作相談は有限会社 小澤製作所へ

屋外クレーン車輪、産業機械走行部品、焼き嵌め・溶接・熱処理を伴う大物加工のご相談は、図面1枚から、現物のお持ち込みからでも承ります。お見積り・技術相談はお問い合わせフォームまたは直通電話 0476-98-0519(平日 8:30–17:30)まで、お気軽にお寄せください。採用情報もあわせてご覧いただけます。

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