素材はSUS440C、硬度HRC50以上、そして切削仕上げで±0.01mmという公差指定。高硬度素材の加工には、加工時のクランプの仕方や工具摩耗、熱などさまざまな課題が付きまとう。こうした難加工材への対応力が求められるなかで、加工ノウハウと治具設計能力の両方が試された案件だった。

◇SUS440C製バルブ部品とは？
高硬度・耐食性に優れるSUS440Cを素材に用いた精密バルブ部品。熱処理後のHRC50以上の硬さを持ち、長寿命と高精度が求められる重要部品に使われる。

◇製品詳細
材質：SUS440C（焼入れ処理済）\
硬度：HRC50以上\
仕上げ：切削加工\
公差：±0.01mm\
形状：円筒形状・一部段付きあり\
サイズ：外径φ38mm、全長38.1mm

◇特長
ミクロン単位の切削精度に対応\
高硬度材でも変形を抑えた仕上げ\
熱変位対策による安定した寸法保持\
自社内での一貫加工体制により短納期も可能

◇使用例
発電施設向けバルブ部品\
油化学プラントの流体制御部品\
食品機械向け高耐久部品\
研究設備の高精度調整用機構部品

◇加工方法 加工にはオークマLB4000EXⅡを使用。荒引加工後熱処理、硬度HRC54にする。高精度の部品をつくるため治具を製作し仕上げ加工を行った。硬度の高い素材でも寸法安定性を確保。

◇取組み 高硬度及び高精度に対応するため、治具の設計を綿密に行った。難削材でもリピート性のある生産が可能な体制を整えた。

◇まとめ
高硬度材・高精度公差という条件をクリアしながらも、短納期・高再現性を実現できるバルブ部品の加工力は、設備力と技術力の両立によって生まれる。厳しい条件でこそ真価を発揮できるパートナーを求めている方にとって、確かな実績と対応力が魅力。

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